【元箱根】成川美術館で日本画と芦ノ湖の絶景を味わう

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箱根周遊
箱根周遊

こんにちは。バスを待ってるはちりです!

去る秋晴れの日、再び元箱根に出向いて周辺をうろうろしてきました。

成川美術館へ

元箱根港のバス停をおりたすぐのところに、成川美術館はあります。

朝9時からオープンです。

しかし、現在時刻は8時45分。とりあえずバス停前にあったコンビニでピザマンを購入しました。

のびるチーズで秋を感じます。

芦ノ湖半でまったり

9時ジャストにいざ、入館です。

エスカレーターを上って行きます…。途中に歴史を感じる巨木があります。隣の説明文によると「長寿の木 大王杉」と命名されているようです。その樹齢はおよそ3000年。

なんと、途方もない歴史です。紀元前からここに立っているとは。

確か芦ノ湖が誕生したのも3000年前だったと思います。その時から芦ノ湖と一緒に変わる景色を見続けているのでしょうね。

美術館の入場料は1300円。成川美術館公式ホームページには印刷したものを持っていくと200円の割引サービスが受けられるクーポン券もありました。

また、ネットで検索しても同様のサービスがあったので私はこちらを利用します。

館内は展望ラウンジ、カフェを除いて撮影禁止です。

展望ラウンジで絶景を見よう。

さて、私は成川美術館を訪れて以来、箱根の観光地をお勧めする際には必ずこの美術館の名前を挙げています。

それはなぜか。

答えはこちらです。

絶景かな。

入館して真っ先に足が向くのが、入館口正面にあるこの展望ラウンジです。窓枠によって切り取られた芦ノ湖の景色はまるで1つの展示物であるかのようです。

私が赴いた日は空気が澄んで、文句の付け所がない晴天でした。そのため遠く富士山まで見渡せます。THE 箱根な写真がとれて大変満足です。

窓に面したソファに腰かけていると、観光船も額縁の中に入ってきました。

あら海賊船も。

成川美術館の展示作品たち

成川美術館の開業は1988年。今年でちょうど30年を迎えます。

所蔵作品は主に現代日本画です。その数は4000点を越え、現在も増え続けているそう。展示作品は年に3回変更されます。

日本画とは日本の伝統的な手法を用いて描かれたものを指します。日本画に用いられる絵の具はすべて自然の石などから採取されており、岩絵具と呼ばれます。

展示物の中には岩絵具の色見本がありました。これほど多様な色が自然に作られているのかと驚かされます。自然物ならではの滋味あふれる色味が特徴的です。しかし、近年ではその材料となる鉱物が希少になりつつあり、青や緑の絵の具には宝石並みの値段が付くそうです。

展示室は4つあります。

彫刻の森美術館の記事でも書きましたが、私は芸術品にあまり興味をもつタイプではありません。しかし、こちらの美術館は大変楽しく絵画を鑑賞することができました。その理由の1つに「時代の近さ」があると思います。

はるか昔に書かれた美術品とは異なり、ここに収蔵されている作品の多くは戦後に書かれたものでした。展示作品のリストを見ると、最も古いものが1963年に制作されています。最も新しいものだと2016年です。

芸術品を楽しめない私が編み出した鑑賞方法に、「制作風景を想像する」というものがあります。

その作品が額縁やショーケースに入れられる前を想像するのです。例えば作者の顔やアトリエの構造、使っている道具についてなど作品の造形をヒントに勝手に想像します。そうすると、ただ作品を眺めるよりも楽しんで作品を見ることができます。

成川美術館の作品たちは私が暮らしている環境とそう変わらない世界で作り出されました。その分、想像力も働かせやすく、より細部まで考えを巡らせることができるのでした。

個性豊かな作品の中でも特に印象深かった作品を1つ紹介したいと思います。

黒光茂明作 「秋月夜」

私の痛恨のミスなのですが、絵の隣の説明文をメモってくるのを忘れました。そのため紹介するといっても、そこに描かれていた具体的な植物の名称も今や思い出せないのでした。次回行ったときはきちんとメモってきたいと思います。

作品の大きさは109×200センチ

画面いっぱいに植物が描かれています。1本の茎から何本もの細い葉が出ている植物でした。その葉がいくつも折り重なっています。

画面の色は全体的に夜闇を表現した薄墨色で、葉はそれよりも白く塗られているためぼぅっと光って見えます。花もなく全体的に暗い印象なのですが、画面外から月の光が降り注いでいるのが感じとれます。葉と葉の隙間の影がリアルで、眺めていると絵が浮き出しているような錯覚を覚えます。

この絵は私の「好き」に突き刺さってくるような1枚でした。

この絵画の作者、黒光茂明さんは植物の絵を多数描いています。現在も活動中らしく、ぜひ他の作品も生で見てみたいと強く感じました。成川美術館にはこの秋月夜のほかに2点展示されています。

成川美術館の中のミュージアムショップには所蔵作品の絵ハガキが売られています。しかし、残念ながら秋月夜の取り扱いはありませんでした。

また見に来るしかないようです…。

ちなみに、美術館にしては珍しく成川美術館には1回の来館ごとにスタンプが押してもらえるスタンプカードがあります。6回通うと記念品がもらえるそうです。行くしかねぇぜこれは…。

ティーラウンジ季節風で抹茶をいただく

展示室を回り終えると時間は10時を過ぎていました。10時から成川美術館のカフェ、季節風が開店します。

展望ラウンジの隣に位置する季節風でも芦ノ湖の景色が臨めます。絶景を眺めながらお茶とお菓子を食べられるなんて最高ですね。

お抹茶とお菓子のセット。ちなみにこれも箱根スイーツコレクション。言わずもがな美味。

そういえば以前茶道を体験したことがあるのですが、正式な茶会では抹茶とお菓子は別々に出てくるのですね。私は抹茶と和菓子も紅茶とケーキも交互に食べたい派です。

隣の人が食べてるモンブランも大変美味しそうでした。

また、このカフェの名前の「季節風」は展示作品の絵画の名前からとったそうです。私も見ましたが、四季の移ろいを切り取った美しい絵です。

このカフェから見える芦ノ湖の景色も季節によって移り変わっていきます。この場所にぴったりの名前だとしみじみ感じました。

まとめ

芦ノ湖畔にたたずむ成川美術館は何度も来たくなる美術館でした。現代日本画に興味がなくても、きっとその静かで優美な絵画たちに癒されることでしょう。

日本人は四季がある風土で生きているため、やがて散りゆくものや変わりゆくものに「美」を感じるという話は耳にしたことがあるかと思います。そのせいでしょうか。やはり季節の移り変わる様子や花を描いた作品が多く見受けられました。

また、それらを見て感じ入る時間はなんとなく切ないような感情がついてまわるのでした。

日本画の色味は、昔のおぼろげな記憶の色味に似ています。

箱根に来たならぜひ成川美術館を訪れて、日本の美に触れてみてはいかがでしょうか。

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