ポーラ美術館を出てから、私はずっと行ってみたかったパン屋さんを目指して歩いています。
幸いにも雨がやんでいたので傘をさす必要はありませんでした。
周囲は別荘や会社の保養地と思われる建物が転々と建っています。道は舗装されているため歩きやすいですが、周囲は完全に山です。
時刻は3時をまわっていて少し焦ります。最近は日が落ちるのが本当に早く、4時を過ぎれば暗い上に気温も急に落ちるのでした。
それまでには買い物を済まして帰路につきたいところです。
パン屋さんの名前はBABYLON BIRD BAKERYです。カタカナで書くならバビロンバードベーカリー。ネストイン箱根という宿泊施設の中にあるパン屋さんです。
こちらのパン屋さんのことは「毎日箱根暮らし。」というフリーの冊子で知りました。
パンは自家製の酵母を使ったハード系のパンが中心だそうです。じゅるり。
橋を渡ると国道138号線に出ます。そこからわき道に入るとパン屋さんがあるはず。
ちょっとためらうほど山につながる道です。ここからまた5分くらい歩きます。
暗くなり始めた道を予定通り5分ほど歩いた頃でした。
Googleマップのナビが不意に終了しました。表示は「目的地に到着しました」
え、周りになんにもないんですけど。
不安にかられながら、しばし立ち止まってマップと格闘していると
道の向こうから何やら小さな車が走ってきます。四人乗りの小さな車の骨組みにビニール製の幌を被せたような格好です。
「ご宿泊ですか。」
車の運転席から顔を出したお兄さんが爽やかに聞いてきます。どうやらネストイン箱根のスタッフさんのようでした。
パン屋を利用したい旨を伝えると、座席に乗るよう勧めてくれます。
そしてそのちっこい車であっというまにパン屋の前まで運んでくれたのでした。道を間違えたわけではなくてよかったです。
パン屋さんの中はカフェスペースもかねているようでした。入り口入ってすぐのところにこぢんまりとした棚があってそこにパンが並んでいます。全部で十種類ほど。
粉を使ってパンの表面に模様が描いてありかわいいです。これは嬉しい一手間です。
パッと見お値段はけっこう高め。しかし私は知っています。「毎日箱根暮らし。」の記事でこのパンが今の形に完成するまで長い月日を要したということを。材料にこだわりを持って作られた繊細なパンなのです。
まあしかし私のお財布事情もありますので、目玉のブリオッシュは諦めて小さめのパンをいくつか買いました。
オレンジピールとチーズのぱん、ステンシルがかわいいあんぱん、オリーブのフォカッチャ、シナモンロールの4点。残念ながら塩パンはありませんでした。
さすがにお腹がいっぱいなので家に帰ってからいただきます。
さて、では帰路につきましょう。
写真は電子レンジの上でご容赦。自分でも呆れるほどセンス皆無な写真。
家に帰ってきました。
明日の朝までは待てませんので早速頂きます。
あんぱんの中はつぶあんです。噂通りハード系パンでした。あんぱんといえば柔らかい生地が多いので新鮮です。
それと、あんぱんといえば牛乳という事で一緒に用意したのですが、これが大変よく合うのでした。むしろ食べ慣れた柔らかい生地のあんぱんよりも美味しく感じます。パンと牛乳のループが止まりません。んま~い。
オレンジピールが入ったパンも美味しかったです。ほろ苦いオレンジと酸味のあるクリームチーズ、香ばしい生地の3つのバランスがよく、どの素材の味もちょうどよく本領発揮している気配です。
フォカッチャとシナモンロールも大変美味しく頂きました。特にこの2つは温めると美味しさ2倍です。
今まで私は柔らかいふわふわのパンを好んで選んでいましたが、このどこか自然を感じるハード系パンも好きにならずにいられませんでした。
ふわふわのパンに飽きた人も飽きてない人も、香ばしく野性味溢れるハード系パンを手に取ってみてはいかがでしょうか。
それらはきっと、好きなパンの幅を広げてくれると思います。
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