箱根強羅もちの袋をひっさげ、引き続き強羅の坂を上ります。
えっちらおっちら。
やがて見えてくるのは、強羅の名観光スポットである「強羅公園」です。
強羅公園でのんびり遊ぼう
強羅公園の歴史は古く、なんと開園は1914年までさかのぼります。当時、日本で初めてのフランス式整型庭園として注目されました。フランス式整型庭園とは、左右対称にオブジェや植物が配置された幾何学的な庭園のことだそうです。
園内では四季折々様々な花が咲き目を楽しませてくれます。
また、花のほかにも多様なアクティビティ体験施設が用意されているため、ご家族や友達同士でわいわい楽しめること間違いなしです。
もちろん公園ですから園内をゆったりお散歩することもお勧めです。木陰にはベンチも多く、くつろいでいるカップルも多く見かけました。公園全体を見渡せる東屋でお茶を飲んだりするのも良いですね。
また、愛犬と一緒に園内を巡っている人たちともすれ違います。園内のカフェにはわんこさんと一緒に食事を楽しめるテラス席もあるようです。
まさに誰でも楽しめる憩いのスポットと言えましょう。
しかし、やはり強羅というべきか、公園は傾斜のある土地に作られています。そのため階段が多く、散策するのに少々体力を使います。ベビーカーや車いす、足腰が弱い方には優しい作りではありません。
体力に自信がない方は、公園の上側から入場すると良いかも。強羅駅から登ってくる側ではなく、箱根美術館がある方ですね。こちらからだと坂を下りながら園内を周れるため負担は少ないです。
入館料
入館料は550円です。
50円の割引クーポンはホームページや強羅駅などで手に入れることができます。先ほど立ち寄った石川菓子舗にも置いてあったため1枚もらってきました。これで500円ワンコインで入場可能です。
また、箱根フリーパスを持っている人は入館料無料です。
クラフトハウス
強羅駅側の正門から入館しました。料金を支払うと、園内マップと入場チケットがもらえます。
なるほど地図を見ると、左右対称に作られていることがよく分かります。日本で公園といえば大きく開けたスペースに遊具が置いてあるイメージですが、強羅公園はフランス式庭園です。子供が遊ぶ公園というよりも、貴婦人が日傘を指して花を愛でるような大人の雰囲気を持っています。
左右対称に作られているため、基本的に道は右と左に分かれています。まずは左に進んでみましょう。
すると三角屋根のクラフトハウスが見えてきます。
ここでは吹きガラス体験やサンドブラストの体験ができます。以前訪れた際に私も吹きガラスを体験しました。グラスの形や模様が細かく選べるため、オリジナル感が強く大変満足でした。
ただ私はいかんせん不器用で、インストラクターのお姉さんに最初から最後まで面倒見ていただきましたが。
確か6月ごろに作成しました。季節限定色のアジサイ色のガラスもあったことを記憶しています。1年を通して楽しめるように工夫されているようです。
三角屋根のクラフトハウスとは別にトンボ玉の製作体験ができる工房もありました。そこではヴィンテージビーズを使ったアクセサリー作りも行われています。また、今後は陶芸作品の絵付け体験ができる施設も登場する予定らしくよりどりみどりです。
自分で作った作品は、お土産屋さんで買ったものより思い出深いものになりそうですね。
熱帯植物園
ここ超よかった。私の一押しはこちらの熱帯植物園です。
植物園は奥まったところにあるうえに、植物が生い茂る細い道を進まなければたどり着けません。そのせいかここだけ閑散としていました。
かくいう私も前回訪れたとき何となく気乗りがしなくて唯一立ち寄らなかった場所です。
パッと見ちょっとさびれてる…。
しかしあなどるなかれ。中は思った以上に広く見ごたえあります。熱帯植物園というだけあって、入るとむわっと気温が上昇します。
滝だ~!
食虫植物だ~!
バナナ~!
中は南国感あふれる植物でいっぱいです。天井も高く、背が高い樹もたくさんあって驚きました。建物がガラス張りのため日の光が差し込んでおり、入口付近の鬱蒼とした感じはありません。まさに南の森。(行ったことないけど)
この植物園は同じようなガラス張りの建物3つで構成されています。強羅公園の中心部からは建物のほんの一部しか見えないため気づかないのですが、かなり広いのです。ゆっくり見て周れば20分くらいは時間が過ぎてしまいます。
中のベンチでせせらぎの音を聞きながらぼんやりするのもおすすめ。人がほとんど来ないからものすごく脱力してリラックスしました。
お花
こんなどっしりした噴水とか
シーサーもおるよ。
白雲洞茶苑
植物園から少し坂を上ったところには、茶室「白雲洞茶苑」があります。洋風な公園の中で、ちょっと異質な和の雰囲気をまとっています。
ここでは抹茶とお菓子をいただけます。体験料は500円です。
しっとりと濡れたような空気を感じながら階段を上ると、茅葺の茶室が見えてきます。こちらが白雲洞です。「白雲洞茶苑」は、この他にもいくつかの茶室が集まって構成されています。どれも大正時代の初めに建てられたもので、長い年月を経ることにより一層趣ある風情を醸し出しています。
まずは白雲洞でお抹茶をいただきしょう。
靴を脱いで茶室に上がり、濃紺の敷物の上に座りました。誰に指示されるまでもなくやはり正座で居住まいを正します。すると、着物を着た女性がお菓子を載せた皿を運んできてくれました。
白雲洞で用意されるお菓子はお饅頭です。懐紙にちょこんと載った小ぶりのお饅頭には「白雲洞」の文字が焼き印でほどこされています。中は粒あん。
ちまちまお饅頭をかじりながら茶室を観察してみます。
全体の広さは8畳から9畳ほどでしょうか。入口は縁側のようになっていて、横に長く奥行きが狭いつくりです。
客席である敷物は、縁側に背を向けてひかれていました。外とは障子を立てることで仕切ることができますが、今は大きく開けられています。そのため外から差し込む日の光が背中をあたためます。
自分の影が畳にうつっていて、太陽が雲に隠れるたびにその影が濃淡を変えています。
茶室の奥には窓がないため外の様子を見ることはできません。しかし、畳にうつる影の濃さや、後ろから吹き抜ける風、背中の温度、葉がこすれる音などから間接的に庭の様子を確認することができました。
普段は視覚にばかり頼りがちですが、それ以外の感覚器の機能を思い出させられる心地です。
部屋の中は自然光のみの明かりで照らされているため、明るいところは明るく、暗いところは暗く影っています。目に優しいその景色は視覚を休めてくれるよかのようです。木でできた茶室のため全体的に茶色い内装なのですが、床の間に飾られた椿の花と黄色に色付いた楓の葉だけが際立った存在感を示していました。それらは光沢のある黒色の一輪挿しに活けられていて、柔らかい茶室の雰囲気を引き締めています。
お菓子を食べ終ると次に抹茶が運ばれてきます。
薄雲をかけたようにふんわり泡立った抹茶はいつ飲んでも癒されます。お茶の作法もそこそこに飲み干しました。茶碗に残った泡さえも惜しく感じます。もっと飲みたい。
お茶碗には頭を垂れた麦の穂が描かれていました。
その後、お茶を点ててくれた茶道の先生から茶室についての説明がなされます。白雲洞の「田舎家」様式のしつらえについてや、隣接する茶室について教えていただけます。
茶室の見学は自由にできるため少し歩き回ってみました。白雲洞のすぐ隣には岩風呂がついた寄付や大文字焼が臨める「対字斎」があります。
今日お茶を点ててくれた茶道の先生は、毎年大文字焼が行われる日に合わせて「大文字茶会」も開催しているそうです。
公園の洋風な雰囲気も素敵ですが、日本の「わびさび」の世界も負けずに魅力的であることを感じられる「白雲洞茶苑」なのでした。
カフェPIC
こちらは白雲洞茶苑の極近くにあるカフェです。この日の昼食はもう一つの店舗でとる予定なので立ち寄らず。
ただ外に出ているメニューの中で、大きな丸いパンをくりぬいてシチューをいれた「パンシチュー」がおいしそうでした。次回来訪時には間違いなくこちらでパンシチューをいただくことにします。
噴水池
縦に長い公園のちょうど中心に大きな丸い形の噴水があります。強羅公園に訪れたことがある人は真っ先に思い出すスポットなのではないでしょうか。
噴水の輪郭は赤いサルビアの花が植えられていて非常に華やかです。
この噴水池のあたりまで登ってくると、外輪山が見渡せます。絶好のフォトスポットと言えましょう。
公園内の木々も紅葉の見ごろを迎えており、鮮やかな色の葉っぱが至る所で見られました。きれい~。
一色堂茶廊
はい。注目です。
この一色堂茶廊に私を虜にする超絶おすすめグルメがあります。
本当みんなに食べてほしい。
みんなとまでは言わなくても、少なくとも私の好きな人全員には絶対食べてほしい。
そのグルメがこちら。
にんじんサンドです。
はい。わかります。おいしくなさそうですよね。なんでこんな名前つけたんだよって感じですよね。私もそう思います。絶対こども頼まないやつです。にんじんってダイレクトすぎだろ。
正直私も頼むつもりありませんでした。
一色堂茶廊はサンドイッチのお店です。メニューを広げて真っ先に私を引き付けたのは、当然にんじんサンドではなく「アボカドとクリームチーズのサンドイッチ」でした。御多分にもれず、私もアボカド大好きなのです。
しかし、その下に「二色サンド」というメニューが。お値段は同じ900円ですが、アボカドとクリームチーズのサンドイッチとにんじんサンドの両方が楽しめるメニューなのでした。
写真を見ても分かる通り、こちらを注文しました。やっぱりサンドイッチってカラフルな方がおいしそうに見えるのです。
そして二色のサンドイッチがテーブルに運ばれてきます。
まずはアボカドサンドから食べました。おいしかったです。チーズもアボカドも濃厚なお味で結構ボリューミー。
そしてにんじんサンドです。
超うまいのなんの。驚愕でした。パンがふわふわなのはもちろんなのですが、挟んであるにんじんもふわっふわなのです。ただのにんじんではなく、水分を抜いたりなんらかの加工をほどこし繊維状になっています。もうふわっふわ。新食感です。サンドイッチって噛んだ時、ふわふわのパンと具材の食感の違いを感じるものですが、にんじんサンドにはそれがありません。噛んで、噛み切って、もぐもぐするまでずっとふわふわ。パンとにんじんの味の違いは感じるのに、食感の変化は感じないのでした。
にんじんの甘さも主張が強すぎることなく、ひたすら優しい甘さです。優しさ120パーセントでできてるような味。
食べる価値あり。
強羅公園の上半分
ここまで紹介してきたのは、強羅公園の下半分のお話。では上半分には何があるかというと、ローズガーデンがあります。要するにバラ園。
私が行った11月の中旬頃はばらの終わりが近づいてきたところでしたのでちょっと残念でした。来年の春を楽しみに待ちたいと思います。
また、写真の中で大きくそびえる木は強羅公園のシンボル、ヒマラヤ杉です。その樹齢は100年を超えています。
強羅公園の上まで上がって、くるりと後ろを振り返れば箱根の山々が見渡せました。東屋の椅子に腰かけてしばしまったり園内を眺めます。東屋は公園の中でも1番高いところに建っているため、ここからの景色を見ることで公園観光を締めくくりたいと思います。
まとめ
強羅公園を周るのに要した時間は、だいたい食事も含めて1時間半くらいでした。園内の広さは下から上まで上がる分には5分ほどですが、様々な体験や見るべきところが多いため、ふらふら気の赴くままにのんびりできます。
ただ、前にも書きましたが、園内の坂道や階段は避けては通れないため訪れる際にはご注意ください。
公園の楽しみ方は人によってそれぞれ異なるのも面白いところです。
クラフトハウスで思い出の品を作るのも、バラ色のソフトクリームでインスタ映えな写真を撮るのもよし。植物園で未知の植物に感心するのも、抹茶をいただきながら和の心を感じるのも良いでしょう。きっと自分に合った楽しみ方を見つけることができると思います。
皆様も強羅に来たらぜひ、強羅公園に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
コメント