「ピオフィオーレの晩鐘」の面白さと乙女ゲームについて。

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雑記帳
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ここ数日、ブログの更新をせずに何をやっていたかというと、寝る間も惜しんでゲームをしていた。

この1週間の平均睡眠時間2時間くらいだ。

乙女ゲームとはなんぞや

タイトルにもある通り、私がそれほどまでに熱中し、一気にクリアしたゲームの名前は『ピオフィオーレの晩鐘』というゲームだ。

いわゆる「乙女ゲーム」分類される。

乙女ゲームとは、女性主人公と攻略対象である男性キャラクターの恋愛をストーリーの主軸に据えたゲームのことだ(多分)。

多くの場合、セリフ多めのテキストを読み進め、要所で出現する選択肢を選ぶことでエンディングが分岐する。

好感度を選択肢によって上げ、ハッピーエンドを目指す。

正直、ゲーム性には乏しい。
なぜなら、プレーヤーはテキストを送るためにAボタンをひたすら押すことに徹するほかないからだ。
ゲームの自由度は皆無だ。

どちらかというと、絵付きの小説を読んでいる感覚に近い。

そして、ある一定の層からは支持を受けるが、一般的には「乙女ゲームが好き」と言おうものなら若干引かれる傾向にある。(少なくとも私の周りは)

おそらく、そのゲーム性のなさや、恋愛の延長にあるエロを連想するため引かれるのだと思う。
しかし、実際には親密度を上げる過程を楽しむものであり、そういった要素にはほとんど触れられない場合も多い。


また、発言と同時に「夢見がちな女子」のレッテルも貼られるため、あまり公言しない人も多いのではないか。

私のゲーム遍歴

そもそも私はあまりゲームをしない。

幼少期、家に任天堂DSはあったが、両親はあまりゲームに良い印象を抱いていなかった。
そのせいもあって過度に夢中になることはなかったと思う。

やっていたのは「牧場物語」「どうぶつの森」「ポケモンシリーズ」など有名タイトルが多い。
RPGだと「テイルズオブイノセンス」「キングダムハーツ358/2days」。
「レイトン教授」も好きだった。

社会人になってから任天堂Switchを買った。
きっかけは友人に「大神」というRPGゲームを勧められたためだった。

これ。

独特のビジュアルと古代日本を舞台にした世界観が魅力だ。
作中で描かれる自然物が大変美しい。動く日本画を見ているようだった。
ストーリーも意表を突く展開で面白い。

何度もリメイクされている人気作だ。
購入した店舗の店員さんからも「いいゲームですよね。いまだに売れ続けているんですよ。」とのお墨付きをもらっている。
その後、気になって調べたところ初めて発売されたのは2006年だそう。
確かに息が長い。

「大神」はパッケージ版を買った。
任天堂スイッチ本体を買った際に、ダウンロードソフトを購入できる3000円分のクーポンが付いてきた。

大神のクリア後、せっかくだからそれを使ってソフトを買おうと思い、そこで白羽の矢が立ったのが「ピオフィオーレの晩鐘」だった。

ピオフィオーレの晩鐘はどんなゲームか

購入の決定打

購入に踏み切った決定打は、舞台がイタリアだったからだ。

私はこれまでにイタリアに2度旅行に行っている。

1度目は北側のミラノ、ローマ、フィレンツェ、ヴェネチア、ヴァチカン。
2度目は南側のナポリ、アルベロベッロ、マテーラ、アマルフィ海岸など。

その体験は私の中で印象深く、また何度でも訪れたいと思った。

ゲーム作中では私が実際に歩いた場所も出てくる。
それが興味深く購入を決めた。

ゲームの雰囲気

これ。

舞台は1925年のイタリアの架空の都市、ブルローネ。
主人公はこの街の教会に暮らしていて、ある事件から街を治めるマフィアと関わりを持つようになる。

主人公の行動によってストーリーは大きく変わる。それはもう大きく。

お察しの通り、このゲームで攻略の対象となるのは主にマフィアだ。

そのため、人がばたばた死ぬ。
何人死ぬんだ…と途中で絶望的な気持ちになるほど死ぬルートもある。
拷問されてグロイ描写を交えつつ死ぬ場面もある。
17歳以上対象の年齢制限が設けられているが、これは専らエロよりグロの制限のように思う。

しかも、1人の相手とハッピーエンドを迎えた後に他のルートをプレイすると、1人目のキャラが殺されたりする。

そんな陰鬱な雰囲気と緊張感漂うゲームだ。

公式HP→ピオフィオーレの晩鐘

ピオフィオーレの晩鐘の魅力

ストーリーの広がりと奥行き

どのルートも舞台はブルローネという1つの街だ。
しかし、行動する相手が違うと、こうも違った見え方をするのかと驚かされる。

選ぶ相手によって、敵味方関係や状況が目まぐるしく変化する。
加えて政治的な事情や各キャラクターが秘密裏に持っている因縁、隠された真実など、明らかになる事象もルートによって大きく異なる。

1人目のルートで「なんなんだこいつは!」と気に食わない気持ちで眺めていたキャラクターも、別のルートでは愛嬌のあるキャラクターだったりする。

選ぶ相手と選択肢の分岐によって、ここまで違った結末を迎えるのかと各エンディングを見ながら思った。

エンディングは各キャラクター(5人+1人)に3つずつ用意されている。
ベストエンド、グッドエンド、バッドエンドの3種類だ。

バッドエンドは見ていてしんどいが、そこでしか明らかにならない事実もある。

全てクリアしてやっと事件の全貌が見えてくる。

キャラクターの性格がはっきりしている

どれだけ状況が変わっても、登場キャラクター達の性格は確立されていた。

キャラクターの異なる側面を見ることはあっても、そのキャラの大事にしていることや行動原理は変わらない。

そのため、それぞれが魅力あるキャラクターになっていて、テキストを読んでいて感情移入がしやすかった。

続編「ピオフィオーレの晩鐘 1926」の発売

さて、イタリアという舞台や絵の綺麗さに惹かれて買ったピオフィオーレの晩鐘だったが、私はそのストーリーにすぐに夢中になった。

それこそ寝食を疎かにするレベルで一気にクリアした。
本当に面白かった。

もちろん乙女ゲーム的要素にドキドキしたり、1人スイッチを前にして「きゃー……」と口元を押さえて悶えたシーンもあった。

しかし、それ以上にストーリーのボリュームとキャラクター達の生き様に感動した。
巨大長編小説を読み切った気分だった。

思えばゲームに熱中することより、私は小説に夢中になるタイプだった。
気になる小説は、それこそ1日かけて一気読みする人間であった。
その性質が乙女ゲームのプレイスタイルに合っていたともいえるだろう。

そして、冒頭にも述べたが、最近の私はゲームをしていた。

そのゲームというのが、10月12日に発売した「ピオフィオーレの晩鐘 1926」。
そう続編である。

これ。

続編「ピオフィオーレの晩鐘 1926」も面白かった

続編は前作を超えない例が多いが、この作品にそれは当てはまらないと思う。

面白かった。本当に。
素敵な時間をありがとう。

キャラクター達の魅力はそのままに、さらにストーリーは広く展開されていた。

それもそのはずで、続編1926のストーリーは前作の各キャラクター達のベストエンド後から始まる。

前作のゲームスタート時点を1つの点とすると、選ぶキャラクター、選択肢、その後のエンディングによって、物語はどんどん広がってゆく。

続編ではその広がった最後のエンディングから、さらにいくつもの選択肢を経て最終的なエンディングにつながってゆく。

恐らくこのゲームは続編の作成を前提に作られていたのではないだろうか。
前作では明かされなかった真実が明らかになり、続編をプレイすることで真に完結したと感じた。

そして、短くないストーリーをプレイすることで、キャラクター達の変化や成長、葛藤に触れ、もう、全力で応援しながら進めた。
本当にみんな油断するとすぐ死んじゃうから気が抜けなかった。

どのルートも最後のベストエンドにたどり着いた時には「良かったね」以外の感情がない。
素直に彼らが幸せになるのが嬉しかった。
その代償にバッドエンドはうんざりするほどしんどかった。

まとめ

前作をプレイした後、私はその他の評価が高い乙女ゲームにいくつか手を出した。

しかし、ピオフィオーレの晩鐘ほど面白いものはなかったと思う。

キャラクターの誰か1人を好きになれなかったり、ストーリー展開についていけず冷めてしまうものも多い。
イケメンキャラクターに愛の言葉を囁かれた程度では私の心は動かない。

その点、ピオフィオーレの晩鐘はサブキャラクターに至るまで結構好きだ。
キャラクターの性格が理解できれば、感情移入がしやすい。
このゲームは主要キャラ以外にもきちんとスポットライトが当たっているため、性格の理解も進めやすかった。
だから嫌いなキャラクターがいないのだと思う。

そういったキャラクター達だから死ねば悲しいし、幸せそうだと嬉しい。

人生とは本当に多種多様でその時々の選択1つで死んだり死ななかったり、出会ったり出会わなかったりするのだ。

このゲームをプレイすることで、私はそう思った。

Aボタンを押してテキストを送るだけのゲームだが、行動の選択によって未来が分岐するシステムは私たちの現実世界と共通している。


日々の生活の中でなんて多くの選択を我々はしているのか。
よく考えず、根拠なく、なんとなく未来を選んでいる。

私はもっと頑張って色々選択しようと思った。

明日はきちんと早起きし、渋らず運動をして、元気に出勤しようと思った。

そうすることで、うっかり死んじゃう未来を避けられるかもしれないし、それこそ乙女ゲームのようなファンタジーかつハッピーな出会いを果たすかもしれない。

そう、私は「夢見がちな女子」の側面も持つ人間なのだ。

あくまで乙女ゲームなので、このゲームは男性にはお勧めしない。
しかし、世の女性たちが少しのドキドキとハラハラを求めているのであればおすすめしたい。

ぜひプレイしてみてほしいと思った作品だった。

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