シュトレンと私

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おいしいもの
おいしいもの

メリークリスマス!ですね!

聖なる夜をいかがお過ごしですか。皆さま。

私は昨日のクリスマスイヴ、クリスマスソングを口ずさみながらケーキを食べました。

美味しそう過ぎて箱から出した瞬間、すぐ食べてしまいました。
だから写真はありません。

そして、1口美味しいケーキを口にした瞬間思ったのです。

「今年、シュトレン、食べてない……!」

シュトレンに対する私の認識

真っ白で赤い苺がゴロゴロ入っていて、ふわふわのスポンジ、上にはベリーとピスタチオのクリスマスカラーの飾り、そして、ベルの付いたクリスマスらしいピックと「MaryChristmas」のチョコプレート…。

そんな完璧すぎる、味も美味しすぎるクリスマスケーキを食べながら、私はシュトレンのことを考えることがやめられませんでした。

シュトレン…。それは、シュトーレンなのか、伸ばすのか伸ばさんのか曖昧な名前のお菓子…。
このブログの中ではシュトレンと呼ぶことにします。

見た目はつぶれたパンのような形で(ものによります)、中にはドライフルーツやナッツがふんだんに練りこまれています。
真っ白な粉砂糖をまとい(ものによります)大事に大事にちみちみちみちみスライスして食べる、超高カロリーなケーキのようなパンのような、パンのようなケーキのような美味しいもの。

上のように文字に起こしてみると、私が好きだという割にいかにシュトレンについて無知であるかが分かります。

と、いうのも、私がシュトレンのことを意識し始めたのは去年のこと。

そう、去年のクリスマスの1週間ほど前のことでした。

シュトレンを食べたあの日のことは今でも覚えている

その日、私は知り合いのパティシエさんに、何の因果かシュトレンを貰いました。

試作してみたけど、結局お店に並ぶことのなかった可哀そうなシュトレンたちでした。

私はシュトレンというものをほとんど食べたことがなくて、「名前は知っている…」という程度の知識しかありません。

そのパティシエさんに「いる?」と聞かれたときに「欲しいです!」と即答したのも、何もシュトレンが好きだったからとかでは全くなくて、単に私が食い意地が張っていて貰えるものは何でも貰っとく精神の持ち主だったためでした。

貰ったシュトレンは、固くて、真っ白で、横に長く平たいものでした。
大きさの割にずっしり重い。

「薄くスライスして食す」

ということは知っていたので、なんとなくそれっぽく包丁を入れて、紅茶を用意していただきます。

予想の10倍美味しかった。

ほんとにほんとに美味しかったです。
シュトレンの「野暮ったく、華やかでないクリスマスのケーキ」というイメージが覆りました。
自分で書いといてあれですが失礼すぎるイメージ。

えっこんなに美味しいものだったん?

私はバクバク食べたくなる衝動をおさえつつ、5切れほど厚めにスライスしたシュトレンを食べたのち冷蔵庫にしまいます。

食べたい。もっと食べたい。
なんならそのままかじりたい。

そう思って、再びおもむろに取り出し、1切れ切って食べる。

そんなことを繰り返していると瞬く間にシュトレンは消えてしまいます。

いつも思うんですがどうして美味しいものって食べると無くなっちゃうんだろう……。

しかし、パティシエさんがくれたシュトレンはなんと5本もあるのでした。

ちなみにかじって食べてみると、不思議とスライスして食べた時ほどの美味しさは感じませんでした。
1度にたくさん食べるには甘すぎるのかしら。

律儀に1枚1枚切っては食べ切っては食べ…を繰り返しました。

この数日で体重が激増したのは言うまでもありません。

シュトレンに感動したその後

シュトレンの美味しさに感激した私は、その後ネットのお取り寄せサイトで衝撃の事実を知ります。

シュトレンって買うとめちゃめちゃ高い。

1本3000円はザラ。
もっと高いものだと5000円、上を見れば10000円なんてものまでありました。

なんてことだ。
それをあんなに軽々しく食べちゃったのか。
美味しいわけだよ、まったく。

その上、販売期間はクリスマス前とクリスマスが終わった後のわずかな期間のみ。

どんだけレアなお菓子なのか。

衝撃のお値段に気持ちがくじかれ、購入せずに月日は過ぎます。

1月、2月と時は過ぎ、シュトレンの存在感は完全に消え去ってしまいました。
季節の物の必然だとは思いますが、あれだけ感動したにも関わらず私は今年のクリスマスまですっかりシュトレンのことを忘れ去っていたのでした。

そもそもシュトレンてなんなのか

さて、好きと語るからには人並みの知識は付けておこうと思います。

シュトレンとはどんなお菓子なのか。

まず、シュトレンはドイツ生まれのお菓子です。
ドイツ語で書くと「Stollen」。

冒頭で「シュトレン」か「シュトーレン」かどっちだという話をしましたが、ドイツ語の発音だと「シュトレン」の方が近いようです。

意味は「坑道」。
その形状が炭坑のトンネルのような形だからだそうです。
クリスマス前にシュトレンを作り、毎日ちょっとずつスライスして食べます。

ちょうど食べきった日がクリスマス!
というのが理想のようです。

ネットで調べた知識なんで、実際にドイツの家庭でどう食べられているのかは不明です。

ただ、シュトレンを食べ始める日を「クリスマスの4週間前」と説明している文が多く見受けられました。

そうなると1切れ5ミリくらいにスライスするって書いてあるので、4週間=28日だから……

合計140ミリ、14センチのシュトレン。

でも、1人で食べる感じじゃないですよね。
ドイツの「家庭」で生まれたお菓子って言うし、それならお母さんとお父さんとお兄ちゃんと妹くらいはいますよね。

そしたら、140ミリが4人分で

560ミリ、56センチのシュトレン。

いや、そもそも1日5ミリってあんまりにも薄すぎない?
クリスマスを楽しみにカウントダウンしてるのに、5ミリじゃなんか貧乏くさい気がします。
楽しいわくわくする時間を演出するのが目的なんだから、少なくとも1センチはいるでしょう。

つまり

1120ミリ、1メートル12センチのシュトレン!!

そんな馬鹿な!

まあそんな馬鹿なことはあるはずもなく、「薄く切って食えよ。ハイカロリーだし、保存きくから」ということだと思います。
ドイツの家庭の皆様も律儀に定規片手に毎日シュトレンをスライスしている訳でもないでしょう。

クリスマスの白いケーキが生モノであり、クリスマスの翌日には半額シールが貼られ在庫処分セールに並ぶ悲しい命運を背負っているのに対し、シュトレンは2、3週間ほど日持ちがします。

というのも、シュトレンにはイースト菌を用いて発酵させ、水を少なくし、粉砂糖でコーティングすることによって、保存ができるように工夫されているのでした。

2020年のクリスマス

話は冒頭に戻ります。

あんなにも感動したシュトレンとの出会いを忘れ、うっかりクリスマス当日を迎えてしまった私は、慌ててネットでお取り寄せシュトレンを探しました。

そして、再び値段の高さを目の当たりにします。

うあ、高い。

今月ちょっとお金使いすぎてるし、月末だしどうする。

でも今を逃したらいつシュトレンを拝めるのか。
来年のクリスマスになってしまう。
どうせ私のことだからまたクリスマス当日に「食べてない…!」と言って焦りだす未来が見える…。

ええい、ままよ。

色々見ないことにして、購入ボタンをクリックします。
続け続け~とばかりに怒涛の勢いでクレジットカード情報を入力。

私はなんとか今年のシュトレンの確保に成功しました。

We Wish a merry christmas!

来たるクリスマス当日。

シュトレンは届きませんでした。

満を持して注文した2500円のシュトレンは、はるばる北海道から1500円の送料をかけて26日に到着する予定なのでした。

まあしゃーなし。

だからと言ってわくわくした気持ちが減ることはありません。

クリスマスは終わってしまいますが、私はシュトレンを今か今かと待っています。

明日届けられるシュトレンはいったいどれだけ美味しいのでしょうか…。

美味しいシュトレンに思いをはせ、今年のクリスマスの夜が過ぎてゆくのでした。

これはこれで良き素敵なクリスマス。

ちなみに…

来年は自分で作ってみようかと、去年私にシュトレンをくれたパティシエさんに連絡をとってみたところ

「フランス語で書いたレシピしかないや。どこ置いたっけなあ…」

とのことでした。

本職の方にレシピを尋ねるのはマジシャンに手品の種を尋ねるようなもので気が引けたんですが、これ、多分出てきたレシピ見ても絶対私じゃ作れないやつ~。

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