こんにちは。
私は仕事に関してはほとんどブログに書くことはないんですが先日ちょっと面白かったことがあったので記録しておこうと思います。
その日は普通の「ある日」であった
その日も私はいつも通り、決まった時間に出勤してマイペースに仕事をしていました。
片づけるべき書類を片付け、メールを返したり、人に渡すものを準備したり…。
一般的で慣れた業務をさくさくと進めます。
そして、その日の私の業務は珍しく早く終わってしまいました。
なので、余裕をかましながら「私、手が空いたので何か手伝いますよ。」と周囲の忙しそうな方々に声をかけていました。
私あるあるなのですが、私が余裕をかまして調子こいている時には何かが起こる傾向があります。
あと、褒められた直後に調子に乗っている時も。
始まりはバケツと共に
気付けば私はバケツを握っていました。
でかいバケツを握りしめ、ズボンの裾をたくし上げ、足元の水を掬い出していました。
「いや私なにしてんの」
バケツを受け取って腰を曲げてバケツで水を掬う。腰を伸ばして後輩に渡す。
後輩は空のバケツを私に渡して、受け取ったバケツの水を捨てる。
ひたすらそれの繰り返し。
2人だけのバケツリレーに加えて、回すバケツは2つ。
なので超高速でバケツが周ります。
後輩への対抗心も手伝って、バケツを回す速度は全然落ちないし足元の水が減る気配もありません。
いや私の背筋が死ぬ。
何かを思い出す…。この感覚…。
そう、あれは大学時代の…。
先輩の声が聞こえます。
「休んでんじゃねぇぞ!回れーー!」
怒声につられてごろごろと畳の上を回ります。
そう、これは合気道の前受け身。
体幹を意識し、余計なところに力は入れず、頭を守ってごろんごろん。
いかにさぼって体力を温存し、このいつ終わるかも分からない受け身の練習を乗り切るかに集中する感覚…。
似ている。
水を掬うと同時に腹筋を緊張させ、背筋を使って体を起こす。
バケツを支える腕には力を入れず、脇を締めて体幹の動きに連動させてバケツを上げる。
足は肩幅くらいに開いて膝を緩め腰は落とす。
下半身は固定して体幹をぶらさない。
学生時代に散々注意を受けた内容が思い出されます。
社会人になってから、私は学生時代に取り組んでいた合気道から離れていました。
単純に余裕がなかったのもありますし、他にも色々理由はありました。
気付けば私は道場にいた
その1週間後、私は正座をして座っていました。
もう着ることはないと思っていた白い道着を着て、神棚を前に拝礼。
稽古が始まります。
私は職場でバケツリレーに駆り出されたことをきっかけに、再び合気道の稽古に参加することに決めたのでした。
まさか社会人になってまで畳の上でごろんごろんしたくなるとは。
我ながら驚きです。
きっかけに出会う偶然
合気道は金輪際もうやることはないだろうと思ってました。
体力的な問題ももちろんですが、あまり良い思い出がなく、またやりたいとは思えなかったのです。
そう決めてから数年が経ちました。
そしてこの日、
「手が空いてるならバケツ持って来て」
の一言から始まり、終わりのない腹筋と背筋の曲げ伸ばしを繰り返すうちに
「このまま合気道をやらずに人生を終えていいのだろうか」
という不安が浮上してきました。
おそらくやらずに人生を終えるのは簡単でしょう。
しかし、何年たってもきっと死ぬ間際に思い出すのだと思います。
それならもういっそ、さっさとやって苦手意識を払拭してしまった方がすっきりするに違いない。
そう思って私は道場に再入門したのでした。
まったく、いったい何が何につながっているかなんて分からないものですね。
己の心の中ですらそうなのだから、他人との縁や思いなんてもっと複雑を極めるに違いありません。
私の腹筋と背筋の収縮運動と合気道の思い出が結びついているように、私の体や心の一部は様々なところと関係を持っているのだと思います。
私だけでなく他の人やただそこにあるだけの物も多様な縁を持っていて、ふとしたきっかけでその縁に私たちは気付きます。
その縁を手繰るも手繰らないも自由です。
しかし、手繰った縁にはまた新たな縁がつながっています。
それが意外な出来事や人生の転機につながっている可能性も捨てることはできません。
と、いうことは、せっかく気付いた縁は手繰っておくに越したことはないのではないでしょうか。
下手な鉄砲も数うちゃ当たるって言いますし。
きっと手繰った縁が多ければ、その分良きことにつながる縁を引く可能性だって上がるに違いありません。
今回手繰った決別したはずのものとの縁は、私にどんな影響をもたらすかはまだ分かりません。
しかし、縁を切ることはいつでも簡単にできます。
だからとりあえずやってみようと思います。
もしかしたらこの先に見逃せない楽しいことを秘めているかもしれません。
しかし、受け身をミスってけがをするなんていう有難くないイベントの発生リスクも高まりました。
重々気を付けて取り組みたいと思います。
それからまた決めればいいのです。
持ってる縁を持ち続けるか、切ってしまうか。
それは、全部私が決めていいことなのです。
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