時は少し戻りまして、きのくにやにチェックインしたところから。
今回の記事は前回の記事の続きです。↓
芦之湯温泉きのくにや旅館!日帰り温泉も有り。
今回宿泊するには、芦之湯にあるきのくにや旅館です。
1月ほど前に母と祖父母が宿泊しており、「とにかくお風呂が良かった。」との評判を聞いていたため決めました。
入口を入ると、旅館の方が出迎えてくれます。
「〇〇様でしょうか。」
名乗る前に名前を呼ばれてしまった。
これはもしや…。
チェックインの手続きや検温を済ませ、部屋の鍵を受け取ります。
「本日は館内貸し切りでございますので、ゆっくりして行ってください。」
やっぱり~!!
宿泊客、我々だけのようでした。
さて、曲がりなりにも箱根在住民で観光地のど真ん中に住んでいる私から、現在の箱根の様子をお伝えしましょう。(あくまで主観です。)
コロナによる影響が大きいのは言うまでもありませんが、度重なる緊急事態宣言の影響で箱根の人出はとにかく少なくなっています。
湯本のあたりはまだ人がいる印象ですが、仙石原や芦之湯、強羅周辺では長期休業状態のお店や宿も少なくありません。
だからこそ、1組しか予約が入っていない日に宿を開けてくれることは本当にありがたいことですし、私自身が観光業に片足突っ込んでいる職業なもので、なんだか身につまされる思いがします。
皆さま~!少人数、一人旅しましょう!
もちろん感染対策は大切ですし、コロナにかからないよう外出自粛も必要ですが、それでも遠出を楽しんでください~。
土日は確かに混雑しますが、平日の箱根は快適ですよ~!
今こそ有休消化の好機ですよ~!
最近のお宿って、こういう床の模様のところ少ないですよね。
幼少期に家族で出かけた宿の大体はこうだったように思います。
ザ・温泉宿って感じで好きです。
広々としたエントランス周辺です。
廊下にあったチェスのセット。
遊んでみたかったけど、こんな交渉な遊戯に興じる教養を持ち合わせていなかった。
温泉宿の窓辺で神妙な顔をしながらチェスを嗜んでみたいわ。憧れるわ。
建物全体はさすがに古びた印象を受けますが、年季の入った調度品の数々が面白く、足を止めながら部屋に向かいました。
きのくにや旅館の公式HPはこちら。
江戸時代1715年に創業。300年の歴史を持つお宿です。
本館「吉昇亭」を散策
本日泊まったのは、本館にある吉昇亭。
昭和初期に建てられた建物です。
お部屋。
初め、布団の方の襖が閉まっていて、すごく狭いお部屋かと思ってびっくりしました。
襖を開けると広々としたお部屋です。
そりゃそうだ。
アメニティは歯ブラシなど必要最低限のものくらい。
予約時にアメニティが充実する女性向けのプランも有りましたが、特にこだわりないので普通のプランで宿泊。
諸々持参です。
設備は古めで所々劣化が見られますが、清掃が行き届いていて特に気にならなかったです。
風情があってよろしい空気感。
あ!孫三総本家のお餅だ!大好き!
お部屋の前の廊下の様子。
私はこの雰囲気、別世界に入り込んだようでワクワクするのですが、子どもはちょっと怖いやもしれん。
私と友人Sはテンションめちゃめちゃに上がりました。
カメラを携え、宿内の探検に繰り出します。
お客が我々だけということでのんびり散策させていただきました。
木の階段だ!!!
わ~~!!!!
古い棚だ!!
廊下には多くの調度品が置いてあり、中でも動物モチーフのものが点在していました。
脳内にコナン君が現れて、
「おかしい…。館内に置かれた置物。何か引っかかる…。」
「馬…牛…兎……。これはまさか…!」
そして干支の置物を12体見つけ出し、その配置を線で結び置物の作者からヒントを得て、廊下の端にちょこんと置かれた棚の引き出しのカラクリを解き明かし真犯人やお宝を見つけたりする…。
そんな妄想が瞬時に頭をよぎります。
貸切半露天風呂「枯淡の湯」
芦之湯を散策して宿に戻りました。
雨で全身しっとりしている私たちは、夕食の時間まで風呂に入ることにしました。
きのくにや旅館のお風呂は3つ。
大浴場と貸切露天風呂である「枯淡の湯」と「正徳の湯」です。
大浴場は食後に行くとして、まずは枯淡の湯へ。
貸切風呂と言っても今日は館内全部貸切ですよ。とフロントのおじさまが笑っていましたが、
そんな贅沢が許されることってある?
枯淡の湯は館内を出て、道を挟んだ反対側の建物にありました。
カラカラと下駄を引きずって浴衣で向かいます。
木戸を開けて中に入ると狭めの脱衣所があります。
いざ、入浴。
学生時代の合宿を思い出します。
お湯は長湯ができるぬる湯です。
湯船は上の写真でお湯が出てるところの横にそれぞれ頭を並べて足が伸ばせるくらい。
洗い場はなく、あくまでお湯を楽しむお風呂です。
けして広くはありませんが、くつろげる仕様。
芦之湯温泉は江戸時代に湯治場として栄えた歴史ある温泉地です。
当時から至る所で温泉が湧いていた箱根ですが、最も人気が高かったのがこの芦之湯温泉でした。
そう言われるだけあって、温泉素人の私でもお湯の違いに気付けます。
枯淡の湯は香りの強い硫黄泉で、お湯には細かい白い湯の花がたくさん浮いていました。
湯の花がある温泉に入るのは実は初めてだったり。
お湯がぬるめなこともあるのでしょうが、いつまで浸かっていてものぼせることがありません。
優しい肌触りの柔らかいお湯でした。
夕飯!
風呂から上がると間もなく夕飯の時間です。
食べるの大好きなので、すごく楽しみにしてました。
満場一致で美味しい美味しい大賞受賞のお魚。
油がのってて、ほどける食感の白身のお魚。
確か鯛って説明された気がします。焼き加減が絶妙で本当に美味しかったです。
料理に夢中になって写真を撮るのを忘れたため、1つ食べてしまったかき揚げ。
サクサク。
配膳してくださったおばさまが、とても気にかけてくださり楽しくて美味しくて快適な食事でした。
久しぶりにごはんもお茶碗2杯食べてしまった…。
そして、デザートには手作りの杏仁豆腐が出てきました。
この杏仁もすっごく美味しかったです。
杏仁豆腐を献立に入れてくれるのが嬉しい。
すごく好きです。
にも関わらず、その肝心の杏仁の写真を撮るのは忘れるという。
肝心の杏仁。
大浴場すらも貸切なんて恐縮してしまう
膨れたお腹をさすりつつ、いったんお部屋に戻ります。
しばしテレビを見ながらゴロゴロした後で、2つ目の温泉である大浴場にいってきます!
大浴場の女湯は、内湯が1つと露天風呂が2つ。
内湯は大きな湯船ですが、露天は小さめの丸い陶器の湯船が2つです。
1人1つずつ外の湯船を占領し、堪能させていただきました。
この頃には雨も上がっています。
色々と友人と喋ったのですが、綺麗さっぱり何を話していたのか思い出せない。
多分、私のことだから「先行き不安である!」とか「人生思っていたより短い!」とか栓のないとりとめのない話をしていたのでしょう。
友人S、いつも要領を得ない私の話に付き合ってくれてありがとう。
2回お風呂に入った後に、私も友人もお肌に変化を感じました。
しっとりしているのにさらさらすべすべな質感になっています。
さすが美肌の湯を名乗るだけあります。
大変良いお湯でした。
無料サービスでいただいた、ハイセンスな蜂蜜れもん。
空き瓶を花瓶にしたいと思ったのに忘れてきてしまいました。
野の花とか挿したい。
まあ、そう思って持って帰った空き瓶に花を飾ったことなんてないんですけど。
さて、今日のところはこの辺で就寝です。
糊の利いたシーツってなぜこんなに気持ちが良いのか……。
貸切江戸風呂「正徳の湯」
そして気持ちの良い朝。
3つ目のお風呂、「正徳の湯」!
実は私がきのくにや旅館を選んだのは、このお風呂に入るためと言っても過言ではありません。
小田急ロマンスカーの広告に憧れがあることは以前どこかで書きましたが、この正徳の湯も起用された過去があります。
こちら参照→小田急ロマンスカー起用のお宿
いざ!
素敵すぎる……。
地面を掘られた形の湯船のため、たっぷりと溢れたお湯は木の床にも満ちています。
朝の光を反射して、なんだろう…。お湯から生命力を感じる気がする…。
何を言っているのか自分でも分からんけど。
静かな芦之湯の地に、たぷたぷと長い年月沸き続けるお湯と言うのは、まごうことなき自然世界からの恩恵であるなと私は思いました。
そしてこのように景観美しく整備し、江戸時代から今日に至るまでそれを求めて人がやってくる。
日本人というのは温泉への欲がなんて深いのだろう、などと考えるのでした。
話を壮大にしすぎた。
何が言いたいのかと言うと正徳の湯は、私がこれまで入った温泉の中で一番物思いにふけるのに最適な温泉であったということ。
お湯の柔らかさも、それを取り巻く雰囲気もすごく良かったです。
湯上り散歩「阿字が池弁財天」
天気が良いので湯上りにちょっとお散歩しました。
きのくにや旅館から徒歩1分ほどの阿字ヶ池弁財天へ。
箱根七福神の1つです。
月夜に狸が踊ってそうな広場その②
朝日を浴びて荘厳な雰囲気の弁財天。
鳥居の向こうの小さな社にお参りして宿に戻ります。
朝食!
他にもお料理あったけど写真撮り損ねました。
またご飯おかわりしてしまった…。
おかわりせざるを得ない……。
美味しゅうございました。
そしてチェックアウト
さてお腹もいっぱいになりまして、チェックアウトの時間までぐうたらします。
糊のきいた布団から離れたくない…。
のんびりのんびり。
のんびりしてたらうっかりチェックアウトの時間間際でした。
忘れ物の確認をして、支払いを終えて無事チェックアウト。
今回、私たちだけの宿泊だったために、きのくにや旅館の皆様のおもてなしを一身に受けさせていただきました。
2日にわたりフロントで対応してくださった方、売店前で芦之湯の観光情報を教えてくれた方、夜朝の食事で配膳してくださりご飯のおかわりに気を配ってくれた方、本当に温かいお気遣いをありがとうございました。
おかげさまで楽しい旅行になりました。
何より正徳の湯が思い出深いです。
こちらは日帰りでも利用できるようなので、また利用したいです。
これできのくにや旅館の滞在の記録は終了です!
とりあえず今日はこの辺で失礼します!
≪次の話≫
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